2016年に韓国がTHAADミサイルの配備決定を公表して以降、中国では韓流スターや韓流ドラマなど、韓国のエンターテイメントを規制する動きが広がった。これは「限韓令」などと呼ばれ、韓国の関連業界は大打撃を受けたと言われる。


 しかし、反日感情が強いにもかかわらず日本のエンターテイメントに対して、中国はそれほど強い措置をとってはいないのはなぜなのだろうか。中国のQ&Aサイト知乎にこのほど、「中国の限韓令は非常に効果的だったのに、日本に対する対応が気弱なのはなぜなのか」と問いかけるスレッドが立ち、中国人ネットユーザーが議論を交わした。

 あるユーザーはスレ主の前提に異議を唱え、「日本に対して弱気なのではなく、禁止する必要性がないだけだ」と主張した。日本映画が一世を風靡した時期もあったが、最近の日本映画は理解に苦しむ内容が多いので見る人がいなくなったとしている。この点、韓国映画は初めから海外市場を意識して作っているので人気が出やすかったという。日本のエンターテイメントはすでに人気がないなどの同様の意見は比較的多かった。


 しかし、「韓国の物はコピーや替わりがいくらでもあるが、日本の物はそういう訳にはいかない」と、日本オリジナル性を評価する人や、「日本のエンターテイメントは実力があるからね。例えば音楽で日本を禁止するなら、まずは香港や台湾音楽から禁止しなければならなくなる」との意見もあった。香港や台湾のヒット曲の多くを日本人アーティストが提供しているからだろう。

 ほかにも、「韓国のエンターテイメントは日本と比べ天と地の差がある。アニメ、ゲーム、バラエティ番組のどれをとっても日本の方がレベルは高い。日本好きな人は韓国好きよりもずっと多いから禁止しようがない」という人もいて、中国国内では日本のエンターテイメントを好むファンが一定数いるようだ。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)